ソウルにはいつ行っても驚かされます。近代的な高層ビルが立ち並ぶ摩天楼と無数の車が行き交う道路の合間に、昔の宮殿や寺院、城塞の門が今も残る伝統と革新が共生する大都会です。フードシーンも同様に、数えきれないほどの昔ながらの韓屋と流行りのポチャが混じり合い、実に都会的で国際色豊かです。
本格韓国料理といえば、チヂミ、コギクイ、チゲ、ポックム、マンドゥ、ビビンバ、冷麺などがすでに知られています。しかし、僕は奥深い韓国料理への理解をさらに広げるべく、馴染みのある料理を本場で試してみたり、斬新な料理、モダンに解釈された伝統料理、韓国人の口に合うようアレンジされた外国料理などにも挑戦してみるよう常に心がけています。
何年も前に初めてソウルを訪れた際に「土俗村」に立ち寄ったのですが、僕を目覚めさせたのはまさにこの店でした。今では看板料理の参鶏湯(サムゲタン)目当てにやって来た観光客たちで、いつも店の前に長蛇の列ができている人気ぶりです。僕自身サムゲタンを食べたことはあったのですが、ここのはもち米と高麗人参、そしてほんのり甘いナツメを詰めた雛鳥がネギが香る上品でクリーミーなスープで煮込まれていて、そのバランスのとれたコク深い風味は、それまでハワイで食べたことのあったどれともまったく違うものでした。甘酸っぱいキムチとカクテキの付け合わせがまた実によく合い、僕はこの魂に響くような名コンビにすっかりハマってしまいました。
次にハワイでは珍しいもの、あるいはまったく見たことのない料理に挑戦してみることにしました。明洞を拠点に、途中トッポギや韓国の天ぷらティギム、そして特に寒い日にはカリッと焼いたあったかいホットクの屋台で道草をしながら、「安東チムタク」、
「明洞餃子」、
「ユガネ タッカルビ」
などでチムタクや餃子、タッカルビなどをたらふく食べました。
モダン韓国料理との最高の出合いは、チョヒギョン氏が経営する梨泰院の「ビチェナ」でした。韓国料理の伝統食材と香辛料に新鮮な旬の幸を取り入れて、創造性豊かにアレンジされた新感覚の料理がスペシャルティの店です。季節限定のエビとチャイブの餃子、チョンピョン(そばロール)春野菜添え、
チョンゴル(タコとキノコのアサリだし鍋)、
サムギョプサルチム(豚バラの生姜焼き肉 カボチャのピューレ、レッドビーンズ、松の実、クルミ添え)など、
キムビョンジン料理長がプロデュースする料理は、すべてが目にも口にも本当に誘惑的です。
外国料理はというと、ソウルにはイタリアン、フレンチ、和食、中華の店が数多くありますが、個人的には、パスタにキムチを添えるなどの韓国流にはどうも馴染めませんでした。しかし、セレブシェフのチョンチャンウク氏の店「ビストロ チャウギ」のヨーロッパ料理は良かったです。
シンプルな中に鋭い感性を光らせた彼の料理観が話題を呼び、今では予約待ち何ヶ月というソウル屈指のヨーロピアンビストロになっています。メニューの中で僕が特に気に入ったのは、モッツァレラのトリュフ蜂蜜がけ 黒トマト添え、
海老のキヌアとピンクペッパーコーン アイオリソース、
鶏レバーのパテトースト、
ビーフブルギニョン マッシュポテト添え、
ラムチョップのグリル 赤ワインリダクションソースでした。
僕は韓国食べ歩き旅行を頻繁にしているわけではないので、まだまだソウルのフードシーンのエキスパートとは言えませんが、この街は伝統的な味と未来型の味が溶け合う多彩なパスティーシュと呼んで間違いないでしょう。伝統を拒まずまた蔑まない、新旧さまざまな料理が共生する韓国。もう早々と来年の旅が待ち遠しいです。
Tosokchon
土俗村
電話番号:02-737-7444
住所:85-1 Chebu-dong, Jongro-gu
Andong Jjimdak
安東チムタク
電話番号:02-310-9174
住所:Myeong-dong 2-ga, 2-2
Myeongdong Gyoja Cheongdaemun
明洞餃子 東大門
電話番号:02-2269-3865
住所:17-2, Euljiro6-ga, Jung-gu, 11F, Cheongdaemun
Yoogane Ddakgalbi
ユガネ タッカルビ
電話番号:02-3789-3392
住所:3-1 Myeong-dog 2-ga, Jung-gu
Bicena
ビチェナ
電話番号:02-749-6745
住所:2F, 267, Itaewon-ro, Yongsan-gu
Bistro Chaugi
ビストロ チャウギ
電話番号:02-915-0105
住所:45-3 Unni-dong, Jongno-gu
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