最近、改めて良さを再確認しているエリアがイーストビレッジ。
今回ご紹介するのはイーストビレッジのランドマーク的なお店、「Veniero's Pasticceria & Caffé」です。創業は1894年という老舗のレトロなイタリアンパティセリー&カフェです。
まずは基本情報から。
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342 E. 11th St. (Between 1st and 2nd Avenue)
New York, NY 10003
212-674-7070
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毎日朝の8時から深夜まで開いています。
[ペイストリーショップ]
入店するとまず目の前に広がるのが、数々のペイストリーが並ぶケース。ここがペイストリーショップです。
午前、午後の早い時間帯は比較的のんびりしていますが、夕方から夜にかけてお客さんが途切れることのなく訪れます。
そして、ここには購入システムがあるので、ご紹介。
基本的全ての商品は店員さんにオーダーして箱詰めにしてもらうシステムです。右手にあるホールケーキが並ぶケースも勝手に開けてはいけません!ですので、入店した順番に店員さんに相手をしてもらうというシステムが非常に重要になってくるというわけです。
ということで、まず入店したらこの番号が書いたチケットを取ります。
そしてカウンター上に掲げてある電光掲示板を確認します。
店員さんが番号を叫んでいますので、自分の順番を待つ、というシステムです。
自分の番号が呼ばれてから、迷っていられませんので、呼ばれるまでの待ち時間で何が欲しいかを決めましょう。
そしてオーダーしたペイストリーを箱に入れてくれて、店先にあるレジでお支払いという流れです。
こちらがホールケーキ用のケース。
色々な種類のホールサイズのケーキがずらりと並びます。見てるだけでヨダレが出て、目がハートになります。
Veniero'sといえば何と言ってもチーズケーキ!NYスタイルのチーズケーキはプレーン、さらには、アーモンド、チョコレート、オレオクッキー味など、変わりダネもあります。チーズの風味がほどよく甘く、ケーキというよりもチーズのレア感が残り濃厚!これぞNYスタイル!と納得と安定の美味しさ!本当に美味でおすすめです!
こちらがシングルサイズの美しいペイストリーたち。本当に種類がたくさんあります!こちらも目がハートになります。
人気はやはりNYスタイルのチーズケーキとイタリアのシチリア島発祥の小麦粉を油で揚げて筒状にした皮にクリームが詰まったカンノーリ(Cannoli)!
ここのカンノーリも同様に安定的な美味しさ。濃厚だけど、重すぎず軽やかな甘さのクリームのホワホワでクリーミーな食感と、揚げた皮のサクサク感を、パックっと一口で同時に楽しめば、幸せ〜と叫びたくなるほど。
その他にもLobster Tail(何層にも重なった薄いパイ生地の中にクリームが入ったペイストリー)、Baba Rum (ラム酒を染み込ませたブリオッシュのスポンジペイストリー)などこちらもイタリアでは定番のペイストリーです。
この一人前サイズのチーズケーキはここではミニチーズケーキと呼ばれています。ここの良いところはミニチュアペイストリーが充実しているところです。カンノーリもミニサイズもあり、一度にいろんな種類を楽しめます。
またVeniero'sの始まりのお菓子がビスコッティーです。カウンターの後ろには様々な種類のビスコッティーが並んでいます。こちらは量り売りになっています。ちなみにアメリカはパウンド式なので、「ハーフパウンド」とか「クォーターパウンド」などと言ってオーダーします。
ちなみにグルテンフリーのもの(NYスタイルチーズケーキもそうです!)や、デイリーフリー(乳製品未使用)のクッキーやビスコッティーもあるので、店員さんに聞いてもらうと案内してくれると思います。
ちなみにVeniero'sのモットーは"No preservatives, trans fats, or high fructose corn syrup (添加物、トランス脂肪酸、果糖ブドウ糖液糖 未使用)”です。
この日案内してくれたのは店員のMaxiさん。ひっきりなしに入店するお客さんたちを笑顔で素早く対応している姿は、清々しかったです!
[カフェ]
カフェ専門の入り口はなく、ショップの入り口から入店し、いい匂いのする美味しそうなペイストリーケースを横目に奥に進むとカフェの入り口が左手に出現します。勝手に席に座るのではなく、テーブルに案内されるまで待ちます。
ここのカフェのなんとも言えないレトロ感が私は大好きです。カフェのエリアは二つあり、鏡で覆われたメインのカフェ、と奥にある”ベネチア”モチーフのカフェがあります。
メインのカフェに足を踏み入れると目の前に広がるのが、美しい色あざやかなガラスと重厚で繊細なディテールが施された金属材の天井です。そして両面に施された鼈甲色の鏡がカフェのレトロ感を一層増します。昭和レトロに通じる、ノスタルジックな空間です。
カフェの天井を彩る美しいグラスは3代目のフランクさんがナポリより輸入したものが当時のままの姿で輝いています。そのグラスを囲むように施された美しい金属製の部分も手作業で型を取って造られた貴重なものだそうです。
NYのレジェンド、歌手のFrank SinatraさんもVeniero'sの大ファンだったようで、こちらの絵がカフェでいつもお客さんを見守ってくれています。
Frank Sinatraさんと、3代目のFrank Venieroさんのこの絵、私は毎回拝んでから着席します(笑
奥のカフェは美しい空が描かれた天井画がユニークなベネチアをテーマにした空間。こちらもまた昭和レトロ感があって最高!
こちらにも3代目のFrank Venieroさんの絵が。もう最高です。
ペイストリーショップ同様、午前、午後の早い時間帯は比較的のんびりしていますが、午後のティータイムから夜にかけては、この二つのカフェはお客さんで満員になり、賑やかになります。(この日は朝オープンしてすぐに行きました)
[カフェメニュー]
カフェメニューはとても充実していて、まず、ペイストリーショップで売っているペイストリーが食べられます。
この写真が載っているメニュー。レトロで可愛い!
そしてイタリアンジェラートやソルベもおすすめですよ。フレーバーも、ティラミスやチョコレートピーナッツバターなどあまり見かけない味もあります!Spumoniというイタリア名物のアイスクリームデザートもおすすめですよ。Spumoniは3層(チェリー、ピスタチオ、とチョコレートかバニラ)のアイスクリームの間にナッツやフルーツそしてホイップクリームなどが挟んであるアイスクリームデザートです。
またドリンクも充実していて、ホットドリンクはエスプレッソ、カプチーノ、ホットチョコレート、紅茶などありますし、冷たいドリンクは、アイスコーヒー、アイスラテ、アイスティー、レモネードなどの他に、というスパークリングウォーターにバニラ、またはチョコレートジェラートを混ぜた”Egg Cream”という飲み物や、ミルクシェーク、などアメリカンなドリンクもあります。
[Veniero’sの歴史]
Veniero’sは1894年に創業した歴史あるペイストリーショップです!
創業者はAntonio Veniero氏。1885年にイタリアのナポリからニューヨークに移民してきたAntonioさん。ニューヨークに来て、キャンディー工場で働きながらお金を貯め、”social club”、いわゆる社交場を兼ねたビリヤード場をオープンしました。そこで手作りのキャンディーやエスプレッソを出していましたが、そのうちに、ビスコッティーも作り始めたのです。それが1894年。Veniero’sの始まりでした。
ビスコッティーから始まったビジネスは1920年代には、イタリアのシチリアから職人を呼び寄せVeniero’sはれっきとした家族経営の”Pasticceria”、パティセリー として確立していました。
Veniero’sの美味しく洗練されたケーキやペイストリーはローマー、ボローニャ、そして1939年のニューヨークの万博などで開催されたコンクールで賞をもらうまでになります。こちらが当時の表彰状です。歴史を感じます。
そして戦後、3代目のFrankさんの時代にはキッチンの拡張をし、イタリア人職人をさらに呼び寄せ、ショップの隣にカフェをオープンしました。
1994年にはマリオクオモNY州知事から、1996年にはジュリアーニNY市長からVeniero’sの長年に渡る地域への貢献とペイストリーを称えて表彰されました。
[Veniero’sは思い出の味]
Veniero’sのショップ、カフェの内装はオープン当初からのものが多く、先ほども書きましたがカフェの美しい天井から、入り口のエッチングの入った美しいガラスドア、鏡や床のタイルに至るまで、長くにわたってVeniero’sを彩っているそうです。
入った瞬間に、タムスリップしたような気分になるこの空間はやはり、大切にケアされてきた年季の入ったディテールだからこそ、色褪せずに昔のままの世界に私たちを誘ってくれるのでしょう。
この独特の雰囲気はレプリカでは絶対に出せない。以前Caffe Reggioの回でも書きましたが、カフェの空間を作り上げている一つ一つのディテールが生きていて個性があって私たちに語りかけてくれるような躍動感。まさに命の宿っているようなそんな空間なのです。これこそまさに、時代をくぐり抜けて、たくさんのお客さんと触れ合い、その人たちの人生を見てきたお店だからこそ出せる雰囲気なんですね。
私もそのお客の一人です。
15年くらい前。ニューヨーク大学の学生だった私は、イーストビレッジのアパートに下宿していた時期がありました。
イーストビレッジ自体大学から近く、あのエリア全体が思い出の場所で、今でも戻るたびにあの頃の淡い、若くて、怖いものもないしお金もない、あの頃の自分の気持ちがふっとわきあがってきます。そんなイーストビレッジ。
その下宿先からすごく近かったのが、このVeniero’sだったのです。テスト後のご褒美にミニチーズケーキを買ったり、お誕生日などのお祝い事があればホールのチーズケーキを買ったり、今の主人とのデートで訪れて、定番のチーズケーキとカノーリを買って二人で分け合いながら食べたり。あの頃の思い出はVeniero’sのチーズケーキの味とともに鮮明に蘇ってくるのです。だから私にとって特別な場所。きっと私と同じように、Veniero’sに特別な思いがあるニューヨーカーはたくさんいると思います。
ちなみにこの日私が頼んだのはベリーののったミニチーズケーキ、まさしく私の思い出の味です。
ペイストリーという甘く、ハッピーなものを100年以上も売り続けているVeniero’s。Veniero’sで売れていくペイストリーの数だけ、人々のハッピーな思い出があるんだと私は思うのです。Veniero’sに訪れるお客さんの顔には笑顔が必ずついてきます。老若男女み〜んなVeniero’sが大好きなんです。こんな場所がニューヨークにあることは私はとても嬉しいですし、これからもずうっと絶えることなく、Veniero’sは存在していってほしいです。心からそう思っています。
皆さんも是非ニューヨークにお越しの際には、Veniero’sで”NYの思い出の味”を作ってみてください。
Info:
342 E. 11th St. (Between 1st and 2nd Avenue)
New York, NY 10003
212-674-7070
Sunday – Thursday 8:00 am – 12:00 am
Friday & Saturday 8:00 am – 1:00 am
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