こんにちは Lulu.です。昨年12月に発表されてから、待ちに待ったパリ-ニューヨーク メティエダール コレクションのローンチ。メトロポリタン美術館のデンドゥール神殿で、シャネルのコードに古代エジプトやニューヨークの要素を取り入れたコレクションが展開されました。古代エジプトに魅了されている者としては狂喜乱舞。
紀元前15年頃にローマ皇帝アウグストゥスによりナイル川のほとりのヌビアに建設されていたデンドゥール神殿は、アメリカ政府がこの土地の遺跡保護を支援した感謝の印として、1965年にエジプト政府よりアメリカへ寄贈されました。
2002年から毎年発表されているメティエダール コレクションとは、シャネルが傘下におさめたクチュールアトリエ(=メティエダール)に捧げるコレクション。緻密で繊細な手仕事、その独特な職人技を保存し、職人たちのやり方(アーティザンウェイ)により最高の状態で表現されるプレタポルテ。
芸術、技術、伝統を「纏える」かたちで保存してくれる素晴らしきコレクション。
ツイードと刺繍のLesage(ルサージュ)、羽細工とフラワーメーカーのLemarié(ルマリエ)、帽子メーカーのMichel(ミッシェル)、コスチューム ジュエリーのDesrues(デリュ)、金細工のGoossense(ゴッサンス)、刺繍のMondex(モンテックス)、フラワーメーカーのGuillet(ギエ)、プリーツ加工のLognon(ロニオン)、グローブメーカーのCausse(コース)、靴メーカーのMassaro(マサロ)、そして2012年シャネルの傘下に入った、上質のカシミアニットで知られるスコットランドのBarrie(バリー)。
そして、毎年ブランドの過去や現在に関わる都市をショーの開催地として指定することでシャネルの歴史を再考しています。
今回のニューヨーク。1939年から15年間のブランクを経て、オートクチュール界に復活したガブリエル・シャネル。新作コレクションはフランスのメディアからは冷ややかな静寂をもって迎えられますが、新たなシャネルのスタイルを生み出したこのコレクションを支持したのは唯一、アメリカのメディアだったそう。
そんなアメリカ、ニューヨークでのコレクションには、アーティストのCyril KongoによるNYのストリートに発想源を求めたグラフィティ プリントが登場。ヒエログリフが施されたアメリカ、なデニムも。
今回麗しかったのは、コスチュームジュエリー。特にゴッサンスのスカラベ。マサロによる靴のヒールにも素晴らしい細工が施されていました。
古代エジプトの象徴(シンボル)が随所に埋め込まれた今回のコレクション。
でもね、一番欲しかった金色のスカラベは日本未入荷。こういった好みが極端に分かれるであろうコレクションは難しいとは思いますが…このシンボルは是非入れて欲しかった。だってこのスカラベ(フンコロガシですね)、彼らは天の川を手掛かりに方位を知るといいいます。人間の感知できない星の偏光パターンを読み取れるスカラベはまさに神秘の甲虫。
どうしてもスカラベを連れて帰りたかったので、このリボンを。
スフィンクスも。ライオンの身体に人間の顔を持つ王家の象徴。ギザの大スフィンクスを見た時は倒れた。スーッと何かが身体の中を駆け抜け、繋がったような不思議な感じ。30年も前のことなのに新鮮な感覚が蘇る。
で、スフィンクスといえば、この写真を思い出す。1864年4月4日 現地時間14時〜14時半の間に撮られた34人の日本の武士たち。なんて心に染み入る写真。
鈴木明 著『維新前夜~スフィンクスと34人のサムライ』は、徳川幕府が横浜鎖港交渉のため派遣した池田使節団一行34名の生涯を辿るルポタージュ。
一行の中には、政治家、国際法を学んだ法律家、科学者、医者、両手で二つの算盤をこなすことのできる男や兵学の大家もいた。フランス語をほぼ完全に解したもの一人、そのほかに七人の男が、英語を読むばかりか、かなりの実力で英会話を行うこともできた。
非常にアカデミックで野心と好奇心に満ち溢れた誇り高き侍たち。その後三井物産 初代社長になる益田進(当時17歳)も一行の一員でした。彼らはスフィンクスを「巨大首塚」、ピラミッドを「三角山」と呼んだという。
十字架の上に卵が乗ってるような形のアンクは、永遠の生命を意味します。
大学時代、アラビア文字の数字を覚えて行ったエジプト。案の定、法外な値段を請求された時に「数字読めるもんねー」と指摘したら、即マイフレンド。更に、アンクのネックレスをしていたことが功を奏して、ラマダン明けのお食事にお誘いいただいた。
そしてヒエログリフもね。その殆どは絵の形が示す意味を表わすのではなく、発音だけを表す表音文字だという。表意文字に見えるよね…ロゼッタ・ストーンをもとに考古学者ジャン=フランソワ・シャンポリオンが解読に苦心した最大の理由がここにあったという。(井沢元彦 著『逆説の世界史』より)
ファラオな黄金のヒールにはヒエログリフで「シャネル」と。
シャネルはブランドの伝統と類稀な専門技術を維持するために、メティエダールという全く別のコレクションを設けた唯一のブランド。
1983年以来CHANELのアーティスティック ディレクターを務めていたカール ラガーフェルド氏。悲報が入ったのは2月19日。
“彼女がやったこと”ではなく、“彼女がやったであろうこと”をするのが私の仕事。シャネルの良いところ は、一つのアイデアを多くに適応できるところだ。
そして、ガブリエル以来の女性デザイナー、ラガーフェルド氏の右腕として活躍されてきたヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)率いるシャネルに期待!です。
ヴィルジニーのファーストコレクション Resort 2020。女性らしい柔らかで優しいコレクションでした。
店頭でクチュールアトリエの気の遠くなるような手仕事をじっくりと見られるメティエダールは、私が一年で一番楽しみにしているコレクション。
買わなくても買えなくても…素晴らしいコレクションを手に取ってみて下さい。画像では伝わらない心揺さぶられる何かを感じられると思います。
ラガーフェルド氏の遺した2019年メティエダール コレクション。古代エジプトのエッセンスを抱きしめて歩きたいと思います。
美しいものを纏う喜びを教えてくれてありがとう。生地を触るだけでドキドキする高揚感をありがとう。
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