「322 C」や「58-7C」など名前ではなく記号がついた顔写真が壁一直線に並ぶ。
モザイクにも見えるこの写真達は一体何だろう。
世界中の有名なーアティストが集まるここ「Alserkal Avenue」のギャラリーで、
壁全面に整列された顔写真たち。
この一見何かわからない作品は、ブラジル出身のフォトグラファー Angélica Dassの”Humanæ”というもの。
年齢も性別もばらばらに並べられているが、よくみると背景色が1人1人の肌の色と同じ。
もっとよく見ると、顔写真の下の記号はPantoneの「カラーチャート番号」!
Pantoneとは、世界で使われる「色見本帳」のひとつで、
様々なデザイン、印刷、メディア、の制作・製造過程で使われているもの。
こんなふうに色見本を使い、自然界の色をカラーチャート番号に置き換えられたり、
パンや観葉植物、ワンピースからスナック菓子まで、
身近にある全てのものは「ただのピンク」や「ただの青」ではなく、
全てのものには「色の番号」や「色の名前」がついていることがわかる。
この要領で、「人間」を「カラーチャート番号」を基に分類したものがDassの作品。
ここには年齢、国籍、宗教、性別、社会階級などの社会的要因は一切介在しない。
例えばこの中央の男女は、「58-6 C」とカラーチャートが一致してる。
そこで少し引いて見てみると、男性はギリシャやイラン系、女性は東欧系と国籍も性別も違う様に見える。
次にこの中央の男女は「58-7 C」、こちらもカラーチャートが一致。
しかし男性はアジア系、女性は中南米系に見える。
実際に私も試してみたが、近しい肌の色は中南米や東南アジア系。
顔付きだけ見ると全く共通点がないような人も、肌の色が驚く程似ていたりする。
Dassの作品は、「肌の色の違いは、大した違いではないこと」を証明している様にみえた。
肌の色や国籍の違いで、争いや偏見が生まれがちだけど、
本当のところ肌の色だけでは、その人のことも国のことも、何もわからないなって。
例えばドバイのスタバ。
「コーヒー豆」のパッケージには8ヶ国語の文字で説明書きがされている。
多宗教、多文化が共存するドバイという街で、作者の想いや希望が強く伝わってくるギャラリーだった。
0コメント